公益社団法人名古屋市獣医師会

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防災・減災に興味ある?

第14回

「飼い主さまに伝えたくなる防災の知恵」

 

 

動物支援ナースがお伝えする危機管理も、まとめの回となりました。

防災や減災もですが、危機管理もとても多岐にわたる分野ですので、動物看護と同じで学び続けることが大切です。

そして何より身近な人たちを巻き込んで、一緒に備えていくことで、大きな災害が来ようとも「助け合える」という、何よりの備えになります。

 

さて今回は、飼い主さまに伝えたくなる防災がテーマです。

 

でも飼い主さまも様々、ペットも、犬や猫、エキゾチックアニマルもいます。

そして災害も地震や豪雨など色々です。どのような知恵をお伝えして良いものか悩みませんか?

 

 

 

そう!そのような時は、飼い主さま自身に、リスクを知ってもらい、災害時の行動目標を決めて頂き、行動計画を作って頂くのが一番なのです。

 

リスクを知って頂くのに活用できますのが「キキクル(危険度分布)」という気象庁が配信している土砂災害、浸水害、洪水災害の情報ページ1)です。

 

災害の危険が迫っている時に、地図上で警戒レベルの色分けがされ一目瞭然になっています。

また行動計画を作成するのに便利なのが「マイタイムライン」です。

 

マイタイムラインとは、自分と家族を含めた防災行動計画のことを言い、予測できる災害台風や大雨などの際の標準的な防災行動を時系列的に整理し、自ら考え命を守るための一助とするものとされています。

 

動物支援ナースでは、このマイタイムラインの概念を防災手帳に組み込み、行動目標(マイ目標)を決めて頂く欄を追加しました。

 

 

 

 

手帳の例では「父とぽちを安全な場所に避難させる」いう目標が書かれています。

これを書くことで、有事の際に何をすべきかという行動の一歩が変わってきます。

この目標を決めた上で、記載されたマイタイムラインの例を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

マイタイムラインは、3日前から検討し始めます。ハザードマップを再確認できたり、隣町の叔母さんへのネゴシエーションが行えたりと余裕を持って避難の備えができることが見えてくるタイムラインになっています。

 

また避難の選択肢が、色々あることに気付くでしょうか?

 

 

ペットがいるから避難しない!ではなく、ペットがいるからこそ、

様々な避難の仕方をご検討頂きたいと私たち動物支援ナースは、飼い主さまにお伝えしております。

 

 

皆様の知る「ペット防災」は、被災地支援の経験などを持っていないと啓発してはいけないように思っておられるかもしれませんが、

 

 

何より飼い主さまが「じぶんごと」にできることが大切であり、

住んでいる地域…本当に皆さんが知っているご近所の地域特性や危険を知り、

みんなで備えていくことで「ひともペットも命が助かる!」それがペット防災です。

 

 

 

どうぞ今日からでも遅くありません。防災・減災のippo(一歩)を踏み出して下さいますと嬉しいです。

 

1)出典:気象庁「キキクル(危険度分布)」

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap.html

 

2)出典:国土交通省「マイタイムライン」

https://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/mytimeline/index.html