公益社団法人名古屋市獣医師会

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防災・減災に興味ある?

第5回

「動物病院で被災したら?」

 

前回のコラムでは、自宅で被災したらというテーマで、動物病院への参集基準などが大切ですよねとお話をさせて頂きました。

今回も引き続き個々の行動計画、防災・減災計画にフォーカスしたコラムをお届けします。

 

 

「動物病院で被災したら?」

 

と考えることは、ありますか?

 

動物病院スタッフでしたら災害をニュースで目にする度に行っておられることでしょう。

では具体的な行動計画や、動物病院での災害訓練はどうでしょうか?

 

動物支援ナースの隊員で、実際に「院内防災セミナー」を行った報告を頂きましたので、ご紹介させてください。

隊員Aさんの動物病院スタッフは、院内防災セミナーを行うまで防災や減災にあまり興味がなく、あったとしても何から行えばよいのか等、わからないことは明らかで、可能な範囲でやってみようと考えたそうです。

 

しかし一人では非力であり、興味のない人たちにとって他人事である事実が、正直辛かったと心の内を話してくれました。

 

それに反し動物病院のある地域は、災害危険度の高い地域で、飼い主さまの方が、防災意識が高いという状況!そこでAさんは、防災知識だけでなく、自身の生活の中で何かしらの行動に移すことを決めたそうです。

 

優先して行ったのは、スタッフが真似しやすい方法。

自分の防災グッズを見直し、動物病院にて被災した時や日常で役立つ

 

「持ち歩ける防災ポーチ」

 

そうこうしているうちに、院内防災セミナーを開催することが決まり、2回目のセミナーになる頃には、スタッフの中でも少しずつ防災を意識する人が増えてきたと感じたそうです。

 

防災ポーチを真似してくれているスタッフも増え、その頃開催した院内防災セミナーは、医学専門的なセミナーと違い、盛り上がったとのことでした。

 

自身に降りかかるセミナー内容だからでしょうか…とAさん。

 

セミナー内容は、動物支援ナースの仲間と一緒に学んだワークショップを組み込みながら、退屈しないことも心掛けたそうです。

 

Aさんは、いつ起きるかわからない災害に、組織として早くどうにかしたかったらしいのですが、個々のスタッフが、防災に関しての意識や知識をつけないと何も進まなかったと教えてくれました。

 

セミナーの中で最初から避難計画や行動計画などと言っても他人事のままになり、だからこそスタッフが、災害を「ジブンゴト」にすること。

 

一人で抱え込まず、

焦らず、

スタッフ全員でその動物病院にあった「防災・減災計画」考えていくこと

 

が大切であり、そのフィールドが作れるのは、院内セミナーの良いところとのことでした。

 

このAさんの事例は、どこの動物病院にも言えることではないでしょうか。

実際に被災した時に「想定外だった」とならないためにも、スタッフ全員で楽しく、ワークショップを踏まえながら院内セミナーができると減災につながることでしょう。

 

次回のコラムでは、動物病院で防災・減災訓練を行うための事業継続計画について詳しくお伝えしたいと思います。お楽しみに