公益社団法人名古屋市獣医師会

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防災・減災に興味ある?

第9回

災害時におけるシェルターワークについて ➀

 

今回は、災害時における動物保護シェルターについてお話しましょう。

 

まず、今回お話するシェルターとは、緊急災害時に作られるシェルターであり、恒常的なシェルターではないことを前提とします。

 

災害時に作られるシェルターは、緊急的・短期的に作られるものですので、設備が完全に整っていなかったり、制限された環境で運営しなくてはならないものです。

被災動物とその飼い主さんのために、よりよいシェルターを運営するためのポイントをいくつかお話させていただきます。

 

1.目的をしっかりと!

 

まず、災害時のシェルター運営の目的は何でしょうか?

もちろん、行き場のない動物たちを保護すること!これが第一ですよね。

ここで重要なのは、動物たちを保護することでどんな効果を期待するか、ということです。

ひたすら保護するだけでは動物たちも飼い主さんたちも安心できません。

 

説明がありません

 

ここで考える目的は

 

「飼い主がみつかるまで大切にお預かりし、すべての動物が卒業していくこと!」

 

と考えていくとよいでしょう。

そして、この場合の飼い主とは「本当の飼い主」,「新しい飼い主」両方として考えます。

できる限り本当の飼い主さんとの暮らしに戻れるようにすることが幸せなことですが、

飼い主さんが見つからなかったりシェルター暮らしが長期間になる場合には新しい飼い主さんを探す活動が必須です。

 

このように目的意識をしっかりもつことで、

最終的に保護動物がゼロになり、すべての動物たちが家庭で飼育されることになり、シェルターを閉鎖することが目標とすることができます!

 

 

2.どれくらいの期間が必要?

 

被災された飼い主さんのためには、できるだけ長期間続けたいところです。

飼い主さんが元の生活に戻り、一緒の生活が送れるその日まで続けることができればどれだけ幸せなことでしょうか。

 

しかしながら、動物たちのためには、どれだけ手を尽くしてお世話をしていても、シェルター生活は家庭に比べて大きなストレスであることも事実です。

 

説明がありません

 

シェルター運営中は、私たちは全力で動物たちのストレス解消につとめ、よりよい生活が送れるよう工夫しています。

それでも卒業してご家庭に戻れた動物たちの姿を見ると、とても幸せそうで嬉しそうで、

 

「おうちに帰れて(おうちに行けて)本当に良かった!!!」

 

 

 

 

と強く思えるのです。

 

飼い主さんのために、少しでも長い期間できるように整えつつ、動物たちの限界をしっかり見定めて、

おうちを見つけてあげるタイミングを見つける。

このバランスをとりながら期間を決めていくことが大切です。

 

ただし、最低限保護をしなくてはいけない期間があります。

 

それは

各都道府県等や政令市の条例に基づいた公示期間

のことです。

 

保護した地域の保健所や動物愛護センター等と連携し、保護動物の情報を共有することで、飼い主が見つかる可能性が高まります。

災害時ということで指定の公示期間よりも長く示してもらえるケースも過去にありましたので、きちんと相談してみましょう。

 

 

3.飼い主探しをしよう!

 

目的の一番大切な「動物たちの卒業」のためには飼い主探しが必要です。

 

被災者は自力で行方不明のペットを探すのが困難な状況にあります。

少しでも被災飼い主さんへ情報を行き届くよう、工夫をしていきましょう。

 

 1)保護場所に張り紙 

「ここで、こんな子を保護しました。」を貼らせてもらってください。

必ず団体名と連絡先の電話番号も忘れずに。

飼い主さんは自宅付近で動物たちを探すことが多いため、この張り紙のおかげでお家に帰ることができた動物たちがたくさんいました。

 

 2)紙媒体での情報周知 

電気・ネット環境が良くない被災地では、避難所や役場、仮設住宅にポスターや保護動物の写真一覧表を置いてもらうことで飼い主が見つかりやすくなります。

ウェブサイトやSNSだけではスマートフォンすら持ち出せなかった飼い主さんに情報が届かない場合もあります。

 

 3)インターネットでの情報周知 

被災地からはなれた親戚や友達からの情報で飼い主が見つかることがありました。

ウェブサイトやSNSを通じて、保護動物たちのプロフィールが閲覧できるようにしておきましょう。

これは今後の新しい飼い主探しにも役立ちます。

 

災害時におけるシェルターワーク②『4.新しい飼い主探しをしよう!』は次回に続く