公益社団法人名古屋市獣医師会

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防災・減災に興味ある?

第11回

獣医療の人材が行う災害支援の実際➀

 

動物支援ナースの増子元美と申します。

今回様々な被災地を経験して感じたこと、動物病院スタッフの皆様に知っていて頂きたいことなどをお伝えします。

まずは、私が災害支援に関わった足あとを表にまとめてみました。

 
災害名 活動地域 連携組織 活動内容
2011年

東日本大震災

南相馬市 民間ペット避難所 熊本支援チーム・被災者有志・地域獣医師 ・遠隔支援 ・犬飼育マニュアル作成・物資調達・SNS記録広報・飼育相談
南相馬市指定避難所 行方不明や死亡のグリーフケア

体調不良犬猫相談

相双保健所

(原発20km圏内 のため保健所は原発の厳重体制の状況)

三春町

緊急災害時動物救援本部福島シェルター

シェルター犬猫の世話、散歩、食事管理、清掃、犬猫の健康や行動変化のチエック

 

 

2012年

九州北部豪雨

 

阿蘇市役所

 

阿蘇保健所被災したため、犬猫は熊本県菊池保健所へ搬送 ・迷子犬情報の広報

・被災ペット訪問ケア

健康チエック、掃除手伝い

・支援物資

消毒剤(安定型二酸化塩素)

 

2016年

熊本地震

熊本市指定避難所

 

熊本市動物愛護センター

 

熊本市動物愛護推進協議会

 

避難所運営委託事業所

・ペット同伴避難所

健康相談、衛生管理

福祉避難所や指定避難所への巡回

ニーズ調査(苦情対応)

・在宅避難ペット支援

車中泊や軒下泊の家族やペットへの相談と支援

・ペット同伴仮設住宅

飼育 衛生 福祉相談

熊本市、益城町、阿蘇、大津

 

指定避難所

 

熊本市動物愛護センター

 

熊本県動物愛護センター

 

被災地域保健所

 

熊本学園大学避難所

わんにゃん緊急災害ネットワーク熊本

AINS阿蘇犬猫支援隊

 

 

 

 

 

熊本県

避難所・仮設住宅運営委託事業所

・ペット同伴避難所

・在宅避難ペット

生活必要物資支援

被災動物情報収集

必要なボランティア繋ぐ

・SNSの活用広報

被災ペット状況報告

 

・被災地支援

ペット保健室の設置

被災ペット飼育相談

里親や一時預かり探し

支援物資やボランティア先マッチング

 

・ペット同伴仮設住宅

飼育 衛生 福祉相談

熊本ペット救護本部 環境省、熊本県、熊本市、熊本県獣医師会 ・被災動物の報告会議参加

 

情報収集 問題点報告

 

大分県玖珠郡九重町 九州災害時動物救援センター ・無料ペット避難施設の利用の手順説明

 

2020年

熊本豪雨

人吉市球磨、芦北町 人吉保健所 ・保健所訪問

被災ペットの情報収集

物資支援

・行政相談コーナー広報

・保健所事案は繋げる

 

熊本学園大学社福災害学生ボランティアグループ ・在宅避難仮設住宅支援

犬猫で困った飼い主やペットロスの飼い主を繋げてもらう

特定非営利活動法人くまもと災害ボランティア団体ネットワーク

 

 

 

わんにゃん緊急災害ネットワーク熊本

・災害ボランティア団体ネットワーク会議参加(毎週)

 

被災動物状況報告

被災動物支援チラシ配布

被災地域犬猫苦情支援

 

・被災地支援活動

情報収集

物資支援

被災ペット健康支援

現場SNS報告

 

動物支援ナース 遠方からの物資支援

(欲しいものが欲しい数だけ届く)

多頭飼育猫疾病受診の支援

不妊手術費用の支援

 

どの被災地でも、被災動物と家族、そして地域の人々の命と生活(福祉)を支える動物病院スタッフが必要だと感じました。

また特に大切だと思ったのは以下の6項目。

 

1,安全に避難する支援、

2,安心して避難生活が行える支援、

3,ペットと飼い主の健康に寄り添う支援、

4,迷子犬猫や子犬子猫、高齢動物の対応

5,被災地野良猫問題への対応、

6,復幸までを見守る対応など

 

詳細は、来月お届けしますね.