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国家資格って、おいしいの? 第6回
「国家資格恐るべし、激動の看護師時代」
前回は、看護師という資格を持つ過程で、看護の独自性や領域を知り、他の医療職と肩を並べて仕事ができるようになりましたとお伝えしました。
今回は、国家資格を取得し実際に働いてみてどうだったかをお伝えします。
私が看護師国家資格を手にしたのは、30歳を過ぎた時でした。
市立病院の新人おたんこナースになったわけですが、ご指導下さる先輩がほぼ年下。
「あなた新人だけどおじ様キラーよね。
人生経験もあるし(年齢いってるしby師長心の声)」
と、セクハラ患者さんほど受け持ちにさせられるという良く分からない新人時代を送りました。
人の看護師には、プリセプター制度というものがあります。
プリセプティ(新人)に、プリセプター(だいたい3年目の看護師)が指導係となって付き、その間にはメンターとよばれるベテラン相談ナース加え、三角関係で育てる制度です。
間に挟まれたプリセプターには苦行でしかない感じですが、人に教えることで振り返りができますので、3年目のナースが担当するのは理にかなっていました。
チェックリストが用意され、プリセプターとメンターに太鼓判を押してもらえるとその看護手技はひとり立ちなのですが、太鼓判を増やす必要にせまられます。
ラジオ体操のスタンプカードのごとく増えることはなく、焦りばかりが募ります。
しかし1年目、2年目と年数を重ねるごとに、指示を仰がずに自分で考え、看護実践できることは、喜びとやりがいに繋がりました。
プリセプターとメンターとは、交換日記のようなものも行っていたり、プライベートでも話をしたりと、それは仕事を続けるモチベーションになりました。
新人になって半年あたりから夜勤が始まるのですが、私に勤務する整形外科と小児科の混合病棟では、3人の夜勤体制に、2交代制という16時間、2回分の勤務をその日のうちにこなすという体制でした。
ご高齢の骨折の方や認知症で怪我をされた方が入院されていて、夜勤では床を貞子のように張っておられることもありました。
そして発見者には、もれなくヒヤリハットシートという反省文がついてきます。
ホラーです。
また小児の入院は、保育器管理が必要な子がいますと、そこに張り付かねばならず、実質2名で夜勤ということに…。
しかも夜遅くに手術を終えた患者が病棟に帰ってきますので、重症チャートという詳細な記録も取らなくてはいけません。
加えて救急外来で交通事故が来ようものならば、外来に呼び出しです。
16時間勤務を終え自宅に帰るころには、私がゾンビのように抜け殻になっていました。
ですがやりがいと充実感は、人生の中で一番ありました。
それは「看護」という共通の基礎知識…
そう国家資格を持っており、入職した時から専門職の扱いだったこと。
勝手なことをするなということはなく、
どのような質問をしようと先輩方は丁寧にフィードバックして下さり、
考えを認めてもらえた
ことが大きいと思っています。
実践の中でできることや任せてもらえることが増えること「専門職」と感じる
ことができたのもこの時期でした。
次回は、おたんこナースの私が、なぜ獣医療に戻ったのかをお伝えしたいと思います。
お楽しみに♪