公益社団法人名古屋市獣医師会

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人と動物のあたたかい共生

もっと知ってほじょ犬Part2

~身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)について~ 

公益財団法人日本補助犬協会 代表理事 朴善子(ぱくよしこ)

 

 

 

 

補助犬の役割について

 

https://www.youtube.com/watch?v=cC17jOHnI9M

 

 〇盲導犬 実働頭数:836頭 

目の不自由な人は、目的地までの道順を頭に描きながら、ハーネスから伝わってくる盲導犬の動きや周りの音や足元の変化などを基に周囲の状況を判断します。

そして盲導犬に指示を出して歩くのです。信号の判断も車や人の流れを基に目の不自由な人が行います。このように目の不自由な人と盲導犬の歩行は、人と犬との共同作業なのです。

 

視覚障害者の歩行をサポートする盲導犬

 

 〇介助犬 実働数: 57頭 

ユーザーの方は、可能な限り自分で介助犬の世話を行います。

「自分で行うことで自尊心が芽生え、介助犬から向けられる愛くるしい眼差しに喜びが増し、自然と力が湧いてくる」と、ユーザーの方がおっしゃっていました。

介助犬は何か作業をしてくれる存在だけではなく、互いに支え合いながら日々の生活に潤いを与え、豊かにしてくれる存在なのです。

 

「スリッパを脱がせる介助犬」

 

 〇聴導犬 実働数: 56頭 

聴導犬は、タッチをするなど色々な動作を使って耳の不自由な方に音を知らせて生活をサポートします。

赤ちゃんの泣き声、FAXの呼出音、ドアのチャイム、目覚まし時計の音等々、生活をしていく上で必要な様々な音を覚えます又、警報機の音を知らせるなどユーザーの安全を守る仕事もします。

音が聞こえない事からくる不安を軽減し、耳の不自由な人の快適で安全な生活を支えるのが聴導犬の役目です。

 

「メールの着信音を知らせる聴導犬」

 

補助犬の訓練について

 補助犬の候補犬として産まれた仔犬達は生後2ヶ月までは、母犬や兄弟犬と暮らします。

その後、パピーファミリー(仔犬育成ボランティア)のもとで1才になるまでの10ヶ月間、愛情を一杯に受けながら育てられます。

1歳になると訓練センターに戻り補助犬になるかどうかの適性評価が行われます。

 

「候補犬」

 

適性があると判断された犬のみが候補犬となりますが、その割合は3〜4割程度です。適性評価で合格しない犬達は一般家庭でペットとして暮らします。

補助犬の訓練期間は1才~2才までの約1年間。

訓練内容は、座れ、伏せ、待て等の動作を号令で指示する基礎訓練と、盲導犬候補犬は誘導訓練、介助犬候補犬は介助動作訓練、聴導犬候補犬は聴導動作訓練をそれぞれ受け、約1ヶ月間のユーザーとの共同訓練が行われます。

共同訓練において所定のカリキュラムを修了し、認定審査に合格して初めて補助犬として実働を開始します。実働は2歳から10歳までのおよそ8年間です。

 

「訓練風景 駅の構内での歩行誘導訓練の様子」

 

引退した補助犬は引退犬ファミリー(引退犬飼育ボランティア)のご家庭で余生を過ごしますが、ユーザーが引き続き引退犬ファミリーとして飼育する場合や、仔犬の時に育てくれたパピーファミリーのところに引き取られ余生を過ごす場合があります。

 

「引退犬」

 

 

 ~最後に大事に想うこと~ 

 

補助犬は、生後2歳から10歳まで約8年、生活のパートナーとしての役割を担います。

何でもできる「スーパードッグ」「24時間働かされてかわいそう」などのご意見をいただくことがあります。

 現状は、1日のうちでサポートする時間は1時間程度で、その他の時間は通常のペットと同様です。

家族の一員として愛されつつ、時にユーザーの目となり耳となり活動するのです。

 

私たちは補助犬を訓練し、貸与して終わりにはしません。

 

引退までの約8年間、ユーザーの方と交流を深めつつ定期的に自宅に伺ったり、再訓練を行ったりと

フォロー・アップを行います。

 

そうした中でユーザーが補助犬と共に生活をすることで、

健康的にその方らしく、何より補助犬との生活を楽しむことをサポートできることが、

私達の喜びです。

 

 

  • 補助犬育成へのご支援のお願い

1頭の補助犬を育成するためには、約500万円の費用が必要です。

この育成費用の殆どは、企業や個人の方々のご寄付や募金によって支えられています。補助犬を必要としている方に1頭でも多くの補助犬をお届けするため、多くの皆様のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

  • 補助犬ガイド士について

当協会では、補助犬受け入れ体制の確立に向けて「補助犬ガイド士」の養成を行っております。

3種類の補助犬ユーザーが施設を一般の方々と同じように利用でき、受け入れ施設事業者も円滑な業務運行ができるように活躍しています。

 

 

「補助犬ガイド士」はレベル別に

初級「心のバリアフリー」検定、

中級「サポートガイド」検定、

上級「補助犬ガイド士」検定

のステップがあり、上級検定を合格することで「補助犬ガイド士」の資格が付与されます。

動物病院にも補助犬ガイド士が配置されれば、ユーザーも安心して犬との生活をより楽しめそうです。

 

 

 

 

TEL:045-951-9221 FAX:045-951-9222

https://www.hojyoken.or.jp/