公益社団法人名古屋市獣医師会

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寄り添う動物看護

初挑戦!カンボジアスタッフ日本研修旅行!

初挑戦!!カンボジア人スタッフを二人日本に連れて行きました。

 

いつかうちで働くスタッフに日本の獣医療を見てきてほしいと数年前からずっと思っていました。

ある程度サニーAHで基本的な手術ができたり、軽症の患者さんを一人で診察に行き診断をし、

飼い主さんに説明ができて納得して帰っていただくところまでこなすことができたスタッフを二人選びました。

勤続年数3年。開業当初から働いてくれたスタッフです。

 

 

 

 

彼らに日本に行くことを伝えると、とても感動していて、

その日の夜にメッセージで

 

 「家族に日本に行くことを伝えたら、

         親族みんなが喜んでくれて、

                   誇りに思ってると言われた」

 

ということをわざわざ報告してくれました。

予想以上に彼らが喜んでくれたことがとても嬉しかったです。

 

今回は一次診療施設から、二次診療施設まで見学させていただきました。

 

実習1日目から早速一つ気づきがありました。

私と夫である院長は、彼らがここまでできたらとりあえずはいいだろう”

思うラインがありました。

一方で”ここまではできないだろう”という勝手なラインも

勝手に引いていたことにも気づきました。

 

実際にハイレベルな獣医療現場を見ることが、

 こんなに彼らの心に刺さり自分もこうなりたいという

    持ちが彼らに芽生えるとは思っていませんでした。

 

 

 

日本研修旅行初日、

彼らが到着して早速液晶画面の自動販売機でイチ驚き。

「タッチパネルなの?」と一言。確かにカンボジアにはないマシンでした。

せっかくだからと空港内のマツキヨで化粧品の値段を見たとき、

「思っていたより安い」という二つ目の驚き。

確かにドル計算するとどれも安く感じるのは事実でした。

カンボジアではドルと自国通貨のリエルが両方使えるので、円安は少し得した気分になるのは正直否めません。

 

 

 

バスに乗って都内へ

景色を楽しんでほしいなと思っていましたが、爆睡。

初めての飛行機ではほぼ寝られなかったそうです。

都内に入ってからSNSでよく見た光景を実際に見れて嬉しかったようで、

たくさん写真を撮っていました。

カンボジアではFacebookとインスタが主流で、Facebookの広告には日本の景色がたくさんでてきて、皆憧れるところだそうです。

都内ではどこへ行くにもたくさん歩きました。

カンボジアではどこへ行くにもバイクかトゥクトゥク。

歩道も交通ルールもないし、

場所によっては野犬がいるので歩いているときすごく気が張ってしまうのが事実です。

 

飛行機でろくに寝れなかったはずなのに、

夕方「渋谷に行く」とおしゃれして元気に出発しました。

渋谷では呪術廻戦にでてくる場所が多くあり、聖地巡礼して楽しかったようです。

 

カンボジアでも日本のアニメは大人気で、カンボジアの映画館では日本のアニメが放映されます。

最安値で3ドル!!!

リクライニングシートとウェルカムドリンクが付くところでも8ドルくらいと通いやすいです。

 

いざ、実習の日が来ました。

日本で受ける義務教育がないので、

整理整頓清掃、5分前行動などを身に着けて社会に出てくる人は少なく、

新人スタッフを雇うときにそこから教えていくことは少なくないです。

なので、今回いくつかの病院を訪問するにあたって私は少しドキドキしていました。

しかし、その予想は外れ、訪問時の姿勢はとても良いと感じました。

 

 

 

しっかり時間を守って朝伺うことができ、

実習中に関しては寄りかかることやポケットに手を突っ込むなど、

人から何かを教わるときの姿勢を知らないスタッフを何人か見てきたので心配していましたが、

彼らはメモを取り写真を撮る前に一言「撮っていいですか?」と聞き、

邪魔にならないように、周りを見て動くことがよくできていました。

一日見学している姿を見て、私は彼らを過小評価してしまったかなと反省しました。

 

          と、思ったのは束の間で!!!!!

 

ホテルのチャックアウト時間に大遅刻(私にとってチェックアウト時間を20分遅刻は大遅刻です。)をして、

日本での滞在3日目にして私の説教を聞くことになりました。

 

次の移動では初めて新幹線に乗りましたが、彼らはまさかの即、乗り物酔いです。

それもそのはず。

彼らは普段バイク移動で、車に乗ることがほとんどありません。

片道5時間かかるような帰省先にさえもバイクで行くというので、

いつも驚いています。

カンボジアの町はコンパクトで私の生活もトゥクトゥクで10分圏内です。

移動に30分以上かかるときはすごく遠いところに行った感覚になりますし、

クラクションや荒い運転でどっと疲れます。

 

次の移動先では温泉に入れる機会がありました。

「入ってごらん」と言うと断固拒否。

絶対に嫌、恥ずかしいの一点張り。

ちなみにカンボジアでは水道費はそんなにかからないので、

暑いときは何度でもシャワーを浴びるそうです。

そして、常夏の国なので体がポカポカして気持ち良いという感覚はイメージできなかったそうです。

 

二件目の病院でも、

しっかり学ぶ様子が見られました。

自分のいる環境って本当に大切だなと思いました。

自分自身の成長する意欲と、自分の持っている知識、テクニックに

しっかり自信をもって働いている日本人を見て、彼らも

 

 ”ついていきたい、こんな風になりたい”

 

という思いを強く感じたそうです。

 

普段カンボジアで生活していて、必死に勉強したり、真面目に仕事をする人を見かけることより、

外で昼寝しているトゥクトゥクドライバーや店番をしている人がずっとスマホを触っている光景を見る機会の方が多い気がします。。

 

 

 

終始彼らは日本人の勤勉さに驚いていました。

時に日本人が厳しく叱ったり叱られる光景も彼らは見ていましたが、

怒ることは良くない!と否定することなく

 

 “自分が成長するためには必要なことだ”

 

と思ったようです。

 

今回の研修旅行を振り返って、

発展途上の国で育った人たちは、

・ルールやマナー守っている人たちの環境に入ったら自分たちもルールやマナーを守る

・良くも悪くも自分の身の回りの環境の影響を受けやすい

・自分の目で見てこれは良い!と思ったことはすぐに吸収しようとする。

    自分でやってみたいと思う。

・素直

 

 

 

 

 

 百聞は一見に如かず 

私たちのスタッフ皆が日本の動物医療の現場を見たら、ガラッと職場の雰囲気は変わるんだろうなぁと感じると同時に、

様々な仕事に関わる問題がある今の日本を知っているからこそ、何かに追われることなく、

自分のペースで生きていくこのカンボジアスタイルも別に悪くないかなと思いました。